最近ですね、レインズスワンプマイクロ1.3gダウンショットという最強のセコ釣りを封印しています。
・・・バスだろうがギルだろうが根こそぎ当たりまでは持っていってしまうこのリグ。
結構な落とし穴があるからです。それは、常にラインに集中しているため、偏光グラスしていても結構目が疲れる(爆)ではなく、
◆釣りのテンポがクソ落ちる
ということです。チョンチョンチョンチョン岸際を打ちまくるので、とにかく移動がしにくい。
それに加えて、
軽量リグが故に
◆釣りの基礎となるボトム感知という作業をすっ飛ばして釣れてしまう
◆使うタックルが基本ULロッドやLロッドという限られたタックルになってしまう
ことです。そこにきて、私が主催する日本せこ釣り協会の複数の会員から「ベイトロッドでよく釣れるリグ、ないですか?」というシミったれた質問が殺到しています。普段は「ULロッドでベイトフィネスやれや」と門前払いで往復ビンタして帰宅してもらうのですが・・・見つけました、ついに。12lbラインのカルコンでこの2週間で20尾を仕留めたので実証付きです。
というわけで今日は僕が強めのベイトロッドでセコ釣り:キャロライナリグを紹介します。「いや、結局キャロかよ?」って思ったそこのあなた。昔ながらのリグですが、こんなに釣りの基本に立ち返れて釣れるリグないっすよ?なぜ今キャロなのか、その考え方まで、今日は語れたら、と思います。
キャロライナリグとは?リグり方と必要なもの。
はい、この記事に行き着いたということは先に結論欲しいと思うので。僕のセッティングを書いておきます。そもそもキャロライナリグとはなんぞや。というのも兼ねます!以下の図です。
ロッドからの道糸
↓
バレットシンカーを通す
↓
スイベル(よりもどし)
↓
別のライン
↓
オフセットフックにお好きなワーム
というみるからにめんどくさそうなリグです。バス釣り初期から存在する由緒正しいリグですよ。
*ちなみにこのシンカーの重さによって
20gとか1ozクラスの重いシンカーをつけると「ヘビーキャロライナ」(ヘビキャロ)
3g~適当に軽いシンカーをつけると「ライトキャロライナ」(ライトキャロ、そのままやんけ)
って呼ばれます。
これが、僕が最近重宝しているリグです。ここから核心に迫りますが。
「ただ手持ちの道具でテキトーにこの順番でリグれば釣れるわけではない」
ということを覚えておきましょう。僕も過去何回もキャロに挑戦しましたが、最近やっとなんでこんな面倒くさいのかがわかりました。
一度話を抽象的にしますね。
重いのにノーシンカーで優しく誘えるリグ!と覚える!
はい、想像してみましょう(下に図もつけます)。スピニングロッドで、細いラインで、オモリも何にもついていないワームを投げたとします。それをラインを張らずに巻くと、フワフワと自然な動きでよく釣れますね(細いラインで、張らないと釣れるという理論:詳しくはこの記事)。
では、下図の上段。ジグヘッドやラバージグみたいに、ワームに直接オモリがついているワームはどうか。
もちろんワームに直接オモリがついているので、抵抗が生まれて、ラインがビンビンに張りやすくなりますね。もちろん重いから、ラインも太くしないといけない。ラインの動きがダイレクトに伝わりすぎてしまうわけです。
下図の下段のキャロはどうでしょう?
スイベルより前のシンカー部分までをみる(赤吹き出し)。シンカーにはもちろん重さがあるので、ラインはビンビンだし、重さに耐えることのできるラインの太さが要求されます。
しかし、スイベルより後ろ(青吹き出し)。スイベルで一度シンカーからきりはなさせれているので、フリーの状態でフワフワと自然な動きをするわけです。しかもスイベルより後ろのラインは別、ってことはラインは、ベイトロッドだろうが、なんだろうが、自由に細くもできるわけです。
何が言いたいのかというと、
スイベルより先は、スピニングロッドでノーシンカーぶん投げている状態と一緒!ということです。これ、どのキャロの解説にも書いてあるんですけど、なかなか実感が湧かないので詳しく書きました。
繰り返しますね、
◆ベイトロッドで投げようが、適当な棒と凧糸で投げようが、スイベルより先はノーテンションでセコ釣りモードになる
これがキャロライナリグの最大の特徴なわけです。
ベイトロッドで小さなワームのノーシンカーって軽すぎて、投げるの難しいですよね?
そんで、ワームに直接オモリつけたら、投げられますね(テキサスリグとかジグヘッドとか、ラバージグ想像してください)?でも、直接だとフワッとせずに、ストーン!ってすぐ沈んじゃいますね。
だから、オモリとワームの間にスイベルとラインをつけるんです!
ベイトロッドで、軽いワームをノーシンカー風に誘えるわけです。MacでWindows起動させる仮想OS的なやつです(は?)。
フワフワの威力はえげつない
日本せこ釣り協会の皆様ならご存知かと思いますが、ラインがフワフワであることの威力は相当です。太いラインが水を切ることによるプレッシャーや、ラインが張ってしまっていることによる魚の食いへの影響は海釣りでも提唱されているようにあると思っています。
この2週間、このフワフワ状態で、目の前でバスが底と中層をフラフラと泳ぐワームを咥えて持って行くシーンを何度も見ました。人間が目の前にいても、フワフワで自然な波動を放っている物体には、バスは興味を示すわけです。岸際だろうと、ずっと後ろを泳いできて、パッと吸い込んで反転していきます。
キャロはこのフワフワを強制的に釣り出すリグということを意識するだけでよく釣れるようになると思ってます。
使い方:手早くボトムズルズル。地形と魚の居場所を把握する
では、どのような状況でキャロライナリグを使うのか。これも大事です。ダウンショットリグは「魚がいるだろうな」というところに対して食わせに行くリグ。
それに対して、キャロは、地形を把握しながら、そこにいる魚を根こそぎ釣りに行くリグと思っています。
したがって、他のバスルアーにあるような、ストラクチャーに対して狙って落とす、という使い方はあまりしません。目に見えない障害物を探すために、あちこち投げて、変化を探す、という使い方です。僕は岸から届くところは全て投げちゃいます。
原理はこうです。
◆シンカーが前にあるので、まず沈めてしまいます。このシンカーが地形把握装置だと思ってください。
◆竿でシンカーを引きずって、何かに当たるまでズルズルします。
*何もなければ、何かにあたるまでは、底を離れないように沈めたまま30cmくらい引きずって2秒くらい放置、これを繰り返して、ちゃっちゃと。
◆とにかく何かシンカーからくる感覚が変わるまで引きずります。
◆何かに当たったり、感覚が変わったりしたらら=地形や地質が変化していたり、そこに影なり、餌が集まる要素がある可能性があります。魚がいる可能性が上がる場所ってことです。
◆根掛かりの感覚があっても、すぐに外さず5秒くらい放置して、シンカーを揺すったり、力を入れずにシンカーをぽん!と跳ねさせて、外します。竿を煽ってしまうとせっかくの障害物をワームが素通りしてしまうので。
◆5秒くらいワームを放置したり、少しだけ引きずっても反応がなければ、またズル引き、の繰り返し。
先日のK川では、これをしていたところ、陸からは見えない、流木がたくさん沈んでいる場所を発見。
そこにバスが溜まっていました。流木の近くズルズルしたり、放置しているときだけ、異常なレベルでバイトが連発したんです。
おまけにオフセットフックなので、根掛かりもしづらいので大胆に攻めることができました。
構造上根掛かりしやすいダウンショットでは攻めきれなかっただろうな、と思っています。
とにかく、
しっかりと沈めて、竿で引きずって変化を探っていく方法をメインとして使うと、初場所などでは地形把握ができるわけです。
小難しく考えない:地形把握+食わせる装置
このブログは僕のような休日アングラーや初心者向けなので、きっとここまで読んでも、「いやいやそれで本当に釣れんのかよ?」って思うと思います。
小難しく考えずにこう考えてください。
知らないフィールドに来たとき、底がどうなっているのかor何が沈んでいるのか、わからないですよね?
こういう場所で
「釣れなくても使うことで上達するし、ラッキーなら釣れるリグ」
です。
バスは地形の変化につきやすい+回遊ルートになっていることが多いです。
となると、初場所では変化を見つけることで釣れる確率が上がります。でも初場所だから頭には地形は入っていない。
だから、変化がありそうなところを探すために使うということです。
「底をしっかり感じられるシンカー」で地形を探って、
変化があったらじっくり+ゆっくりと感じ取り、
そのじっくり、ゆっくりの間にワームがフワーっと変化を漂い、
魚がいれば反応がある。
「地形探索+食わせ装置」として使うのです。
また、
◆目に見えるカバーは全部撃ったor撃たれてそう
◆何もなさそうな沖に変化を見つけたい
こんな時に僕は投げています。テキサスでもいいのですが、大体昼間(8:00過ぎ〜15:00台)のマヅメではない(=バスの活性が高くはない)時間に使うので、ゆっくりとワームが動くキャロにしています。
ちなみに、キャロというと「大遠投」「ブレイクを狙う」という言葉とセットで使われますが、大遠投は最初は意識せずでいいと思います。ブレイク・沖の障害物があることが前提になります。地形探索して、沖の地形が頭に入ったら、検討しましょう。最初のうちはトラブルなく投げられる範囲でも有効です。岸沿いでも釣れます(スプリットショットリグ的な使い方、なんですが、これはややこしくなるので割愛します)。
ここぞ!という場所は巻いてみる
キャロで、地形を把握して、「ここ、何かありそう!」と思う場所はもう一度投げて、巻いてみる、も有効です。
こんな複雑な構造ですけど、巻いても普通にワームが泳いでくれるので。先日のK川では、流れが巻いているところは普通にリトリーブしてても下からバスが食い上がってきたり、針先が隠れている故にカバーを沿わせて巻くと追いかけてきてスピナベのように食ったりして釣れました。オールマイティなリグです。
地形探索+食わせ、巻き。全部できちゃうわけです。
というわけで、ここからは僕が最近多用しているセッティングを紹介します。
ポイント①:リーダー(スイベルからワーム側のライン)は5lb前後の細いラインを。
はい、まずは、ラインチョイス。デカバスだけを狙うわけではないなら、ラインは5~6lbがおすすめです。というか、リールのメインラインより細くすることが大事です。いくつかの理由があります。
◆根掛かりをした時に、スイベルより先のワーム側だけきれてくれるのでフィールドのダメージが少ない
◆フワフワを演出するために、ラインも細くしておいた方がいい
こんな理由です。ちなみに僕はアタリを感じやすいのと、結構バスの口や障害物ですぐラインがボロボロになるので、フロロにしてます。先日は不慮の事故で、ナイロンにしましたが、ナイロンでも釣れます。フワフワはナイロンの方が自然なので。ただ、ラインチェックは数投ごとにしないと、バスに切られます。
◆僕のK川でのセッティングは、
・リールからのライン=12lb
・スイベルから先のリーダー=5lb/4lbでした。
センコーのノーシンカーに12lb直結では目先鼻先まで浮き上がってきて、食わなかったバスがバンバン食ってきたので、ラインによる違いはあるのでしょうね。
ポイント②:シンカーは飛距離が出る+底を取れる重さで!
ダウンショットをしているととにかく軽くして、シンカーが1g台に!なんてこともあると思いますが、キャロは逆の発想です。
◆自分のロッドでしっかり投げられる重さ
◆底を引いていて底質だったり障害物がわかる重さ
を選びましょう。僕は最初10gでちゃんと底を取れるようになるまで修行して、次に7g、あとは
◆流れや風が強ければ5g
◆何にもなければ3.5g
で使い分けています。ただ、広大なフィールドを攻める時には、20gで思い切り遠投することもあります。
フワフワしたワームを飛ばせることもこのリグの魅力ですので、遠慮して軽くする発想はあまりいらないですし、釣りの基本「底を取る」という感覚を得るために、あえて重いシンカーで挑戦するのもアリです。
僕は基準は5gですが、一般的なベイトのMパワーであれば、5gと7gもっておけば大丈夫かと思います。スイベルは・・特に拘らず使ってます。
ポイント③:流れがあるならテールあり・ないならザリやイモ
明確な差が出たので、参考までに。先日のK川では、虫系ワームの反応は微妙。一方で流れに対して、レッグワームやゲーリーグラブのテールをピロピロさせると倍くらい反応がありました。
流れがあって、ワームが動くような状況では、レッグワームなどのシャッドテール系、静かな状況では、虫やザリガニ系のワームが良いのかな、と今は考察しています。
今の所、とにかく一尾つりたいなら、
◆レッグワーム2.5inchに3番オフセットフック
◆沈み蟲2.2に1番オフセットフック
で事足りると思います。スパテラもいいらしいですが、僕はまだ開封すらしてません(笑)
あとは武者修行!今までのフィールドにお宝ポイントが見つかるかも
さて、結構熱く語ったので、これで「ベイトでせこづりしたい!」という日本せこづり協会の会員も胸を撫で下ろしていることと思います!
キャロライナリグはそもそも、ベイトで軽いワームを遠投したり、自然なワーミングを実現させるために生まれたリグ。習得すれば、獲れる魚は増えると僕自身が実感しました。
玄人の皆さんは7ftの竿で28gの100mぶん投げるヘビキャロ!みたいな上級テクニックも使いますが、僕は遠投することもなく、釣れています。まずは手持ちのタックルから試してみてください。
セッティングが面倒ではありますが、一度ハマると便利さに抜け出せなくなること請負です!
続編記事はこちら!
一応釣行期
本日もど減水の茨城K川行ってきました。夏日も、秋の減水はさらに進行し、先週よりもボトムが剥き出しでしたが、流れの淀みやチョコレート護岸の障害物にキャロを流すと連発。夫婦で8本、スモールも釣れました!
でもキャロも小バスばっかし!